独り言


とりとめのないつぶやき
by pooch_ai
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気分はアリエッティ



  ~夢見心地で、巨大なセットをさ迷う~



 スタジオジブリ制作の映画「借りぐらしのアリエッテイ」を観た後、東京都現代美術館で開催されている「借りぐらしのアリエッテイ×種田陽平展」を観に行って来た。


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 映画は、床下に住む小人の少女アリエッティと、その家の住人である病身の少年とのつかの間の交流を描いたアニメだが、連日の猛暑に、干からびてしまっていたような心を優しく潤し、リフレッシュしてくれた後味爽やかな作品であった。

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 人間に見られてはいけない、見つかったら他所へ引っ越さなければいけない小人たち、住むところをはじめ、生活に必要なものを、人間の家から借りてきて、ひっそりと、つましく生きている一家の暮らしは、穏やかで、平和そのものだった。

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 それが、少年に見つかったことで、その静かな生活に、波紋が広がってくるのだが・・・。それは、これから映画を観る方の興をそぐことになるので。






 今回、監督に抜擢された米林宏昌は、世界的なアニメーターで、これまでのジブリの作品の殆どに携わってきたそうで、アリエッティのキャラを決定するまで、さまざまなタイプの女の子の下絵を描き、絞り込んだとのことだが、アリエッティは、きりりとしていて、愛らしく、大きな目が印象的だった。


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 とりわけ素晴らしかったのが、ターシャ・デューダの住まいを連想させるような、建物や庭の風景の美しさと、小人の目線で描かれている、人間の家の、度肝を抜かれるような巨大な釘の頭とか、砂糖つぼや一抱えもある角砂糖、家具や食器類など、そして、それとは対照的な小ぢんまりとした、居心地のよさそうな小人たちの居間や、キッチンの調理道具など、画面が、リアルなのにファンタスティックな感じで、不思議な魅力に溢れていたことだった。


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 このアニメ映画の世界を、映画美術監督の種田陽平が、現実のセットに作り上げ、東京都現代美術館で展示していると知り、「これは見逃すわけには行かない」と、期待に胸をはずませながら、展覧会場へと向かったのだった。



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 展示室へは、映画の中で、アリエッティが出入りしていたように、通気口を潜り抜けて入る仕組みになっていたが、一歩足を踏み入れたとたん、自分も小人たちの仲間になった気分で、物語の世界にどっぷり浸かってしまったのだった。

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 アリエッティのベッドルームや父親の仕事部屋をのぞいたり、背丈を越えるような植物が生い茂る庭の巨大なセットで、頭上に覆いかぶさる草の葉に宿った、大きな水滴を見上げたり、どきどき、わくわくしながら迷路のような通路をさ迷っていると、不思議の国に迷い込んだアリスにでもなったようで、今、自分のいる場所や時間を忘れてしまいそうだった。



c0019055_16501744.jpg 「アニメでも、実写映画でも、美術の作った世界は、あくまでもスクリーン上で登場人物たちと共にあり、お客さんに観られることで完結する。しかし、今回の展覧会では、スタジオジブリが創造した世界を、スクリーンから引き出し、実写美術の技術で建ち上げて、美術館を訪れた人に、実在の空間に迷い込み、浸ってもらうことができる」と、種田陽平は言っているが、まさに、「バーチャルな世界ではなく、実在する空間」を、存分に楽しめるスリリングな体験であった。




  種田陽平は、映画「フラガール」や、「THE 有頂天ホテル」、「ザ・マジックアワー」、「スワロウテイル」、「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ」等々、数々の話題作で、独自の世界を創り続けていると定評のある映画美術監督だが、今回の展覧会では、巨大なセットの他、彼が過去に手がけた作品の写真や模型なども展示されており、「現実と虚構を融合する」映画美術というものの素晴らしさを改めて、思い知らされた気がした。

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 宮崎駿曰く、「美術が映画の品格を決める」のだそうだが、深津絵里がモントリオール世界映画祭で、最優秀女優賞を受賞した映画「悪人」でも、種田陽平が美術監督を務めているので、映画を観に行ったら、新境地を開いたという彼女の演技共々、背景にもよく注意して観る事にしよう、と楽しみにしている。


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by pooch_ai | 2010-09-16 17:08
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