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独り言


とりとめのないつぶやき
by pooch_ai
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落ち葉舞う”風の散歩道”

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約2年振りに、高校時代の友人と会うことになり、殿ヶ谷戸庭園経由で、三鷹の“風の散歩道”を訪れてみることにした。




 殿ヶ谷戸庭園は、国分寺崖線をいかした和洋折衷の回遊式林泉庭園とのこと。
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 武蔵野の面影が残る園内には、紅葉亭という茶室や、湧き水の窪池もあり、国分寺の駅近くにありながら、しんと静まりかえっていて、人影もまばらなのが、心安らぐ思いだった。


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鮮やかな紅葉とはいかないものの、松の緑と、赤や黄色に色づいた木々とのコントラストが美しく、竹林を抜けて、池をめぐり、つわぶきの花に、足を止めたりしながら、旧友と交わす会話は、楽しく、時計の針が、後戻りしていく感じだった。


 高校卒業後も、頻繁に手紙のやりとりをしたり、彼女の家に泊りがけで遊びに行ったりもしていたのが、いつしか会うこともなくなり、長い時間が流れてしまっていた。


落ち葉舞う”風の散歩道”_c0019055_1215721.jpg 専業主婦の彼女は、家事や子育て、ご主人のご両親の介護に忙しく、私の方は、仕事に追われていたから。



 それが、数年前から、交遊が復活。時々会っては、一緒にランチを食べたり、美術展や映画を観に行くようになったのだった。
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ツーカーの仲であった旧友のいいところは、長い間会っていなくても、昨日別れた続きのように、話がはずみ、全く空白を感じないことだ。

大した話を交わしたわけでもないのに、会った後は、いつも、心豊かな、充ち足りた気分になる。友だちとは、そうしたものであり、私にとっての、貴重な財産であると思っている。

 さほど広くもなく、散策するには、程よい規模の庭園には、藤棚や萩のトンネルも、見受けられ、花の季節には、また違った表情を見せてくれそうだった。


落ち葉舞う”風の散歩道”_c0019055_1135011.jpgこの前日、病院の帰りに立ち寄った神宮外苑のイチョウ並木は、まだ、かなり緑が目立っていたが、“風の散歩道”は、果たして色づいているかしらと、話し合いながら、次なる訪問地へと、向かった。



 太宰治や山本有三ゆかりの地として知られる玉川上水沿いの“風の散歩道”は、「三鷹の森ジブリ美術館」への道でもあったが、すっかり晩秋のムードに包まれていた。


落ち葉舞う”風の散歩道”_c0019055_11215590.jpg秋色に染まった桜並木の下を歩いて行ったら、靴跡のタイルを発見。ユーモラスな絵柄に笑いを誘われ、カメラでパチリ。


 途中には、山本有三の記念館や、太宰治の「乞食学生」の一節が刻まれた碑もあったが、ドキリとさせられたのは、入水場所と思しきあたりに、太宰の故郷特産の石である「玉鹿石」が置かれているのを目にしたときであった。


落ち葉舞う”風の散歩道”_c0019055_1128464.jpg高校時代は、熱烈な太宰ファンで、中でも「トカトントン」という作品に惹かれていたことなどを思い返し、感無量であった。




 突き当たりが井の頭公園で、右に折れて、しばらく進むと、ジブリ美術館が見えてきたが、ここは、完全予約制のため、次回のお楽しみということに。

落ち葉舞う”風の散歩道”_c0019055_11353416.jpg美術館の手前、斜め向かいのビルを見上げたら、壁に、巨大なクワガタが張りついていた。男の子が見たら喜ぶだろうな、と、思いながら、近寄って見たら、「クワガタ昆虫館」であった。


 帰り道半ばで、歩き疲れ、喉も渇いていたから、「マグノリア」という住宅街の中にあるカフェで、一休み。自家製のガトーショコラが美味しかった。

 コーヒーとケーキで、元気を回復。駅への道を辿りながら、「ジブリ美術館を見学がてら、また、必ず来ましょうね」「桜の季節?ううん、“風の散歩道”だもの、やっぱり、風薫る初夏の頃にしましょう」と、彼女と約束したのだった。
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by pooch_ai | 2005-12-03 10:17
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